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* ラパマイシンとmTOR(エムトール)

日時: 2011/04/18(月) 10:24:19 メンテ
名前: tsunco

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2011/04/12(火) の〜『女殺油地獄』の図〜 の記事で、
『現在、サーチュイン系とmTOR系でどちらが高等動物でのCRの抗加齢効果の主な経路かで、大論争になっております』
『まあ、どちらが勝っても「ミトコンドリアを大切に」には変わりは有りませんが』と述べた事は覚えておられるかと思います。
そんなの知らないというお方は、まずはそちらから読み直して下され(笑)。
本日はmTOR(エムトール)とラパマイシンのご紹介でございます。

mTOR(エムトール)-Wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/MTOR

>哺乳類などの動物で細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質キナーゼ(セリン・スレオニンキナーゼ)の一種。mTORはラパマイシンの標的として発見されたため、mammalian target of rapamycin、つまり「哺乳類ラパマイシン標的タンパク質」の略として命名された。別名に FK506 binding protein 12-rapamycin associated protein 1(略称FRAP1)などがあり、ヒトでこれをコードする遺伝子はFRAP1遺伝子と命名されている。インスリンや他の成長因子、栄養・エネルギー状態、酸化還元状態など細胞内外の環境情報を統合し、転写、翻訳等を通じて、それらに応じた細胞のサイズ、分裂、生存などの調節に中心的な役割を果たすと考えられている。
初め、酵母におけるラパマイシンの標的タンパク質が見出されてTOR(target of rapamycin)と命名され(TOR1、TOR2の2種類がある)[1][2]、後に哺乳類のホモログが見出されてmTORと命名された[3]。酵母のものも栄養状態等に応じた調節機能を果たすが、詳細な作用機序は異なる。さらに多くの真核生物でホモログが知られるが、これらの作用機序も必ずしも同じではない。語源となっているラパマイシンは、まずFKBP12タンパク質に結合し、このタンパク質複合体がmTORに結合してこれを阻害する。mTORは2種類の分子複合体(ラパマイシン感受性および非感受性)を形成し、それぞれにおいて触媒(mTORキナーゼ)サブユニットとして働く。

一体なんのこっちゃ。
なんか難しそうですな(笑)。
もう少しお付き合いを。
お次はラパマイシンについて、2009年に『Nature』に載った有名論文を御紹介します。

Rapamycin fed late in life extends lifespan in genetically heterogeneous mice
http://www.nature.com/nature/journal/v460/n7253/pdf/nature08221.pdf
Nature 460, 392-395 (16 July 2009)

>Inhibition of the TOR signalling pathway by genetic or pharmacological intervention extends lifespan in invertebrates, including yeast, nematodes and fruitflies1, 2, 3, 4, 5; however, whether inhibition of mTOR signalling can extend lifespan in a mammalian species was unknown. Here we report that rapamycin, an inhibitor of the mTOR pathway, extends median and maximal lifespan of both male and female mice when fed beginning at 600 days of age. On the basis of age at 90% mortality, rapamycin led to an increase of 14% for females and 9% for males. The effect was seen at three independent test sites in genetically heterogeneous mice, chosen to avoid genotype-specific effects on disease susceptibility. Disease patterns of rapamycin-treated mice did not differ from those of control mice. In a separate study, rapamycin fed to mice beginning at 270 days of age also increased survival in both males and females, based on an interim analysis conducted near the median survival point. Rapamycin may extend lifespan by postponing death from cancer, by retarding mechanisms of ageing, or both. To our knowledge, these are the first results to demonstrate a role for mTOR signalling in the regulation of mammalian lifespan, as well as pharmacological extension of lifespan in both genders. These findings have implications for further development of interventions targeting mTOR for the treatment and prevention of age-related diseases.

mTOR阻害作用をもつ免疫抑制薬ラパマイシンが高齢マウスの寿命を延長
http://ameblo.jp/kunotakayoshi/entry-10296790747.html

>イースター島の土壌で発見された化合物をマウスに飲ませたところ、寿命が飛躍的に延び、人間なら100歳以上に相当する長生きとなったとする研究結果が発表されました。
1970年代に発見された「ラパマイシン(同島のポリネシアン名「ラパ・ヌイ」に由来)」は、現在は臓器移植時の免疫抑制剤などに使用され、がん治療薬としての臨床試験も行われている。さらに、無脊椎動物における実験で、老化に関係する酵素を抑制することが示されており、不老長寿薬としての可能性も模索されている。
米Jackson Laboratoryなどの研究チームは、人間ならおよそ60歳に相当する生後1年8か月のマウスにラパマイシンを混ぜた餌を継続的に与えるという実験を行った。その結果、通常に比べてメスは平均で13%、オスは9%長生きした。
ラパマイシン(シロリムス)は、日本では未認可ですが、アメリカでは、シクロスポリン、タクロリムス(FK506)に続く第3の免疫抑制薬として、臓器移植時の拒絶反応を抑制するために用いられています。作用機序は、結合タンパク質(FKBP12)との複合体(ラパマイシン−FKBP複合体)がmTOR(mammalian target of rapamycin)とよばれるタンパク質リン酸化酵素の活性を阻害することによると考えられています。
また、ラパマイシンの誘導体であるテムシロリムス(海外での商品名「Torisel」)は、mTOR活性を阻害する新しい抗がん薬として注目されています(日本未認可、解説をみる)。
酵母・線虫・ショウジョウバエなどの無脊椎動物では、TORの機能を抑制すると寿命が延長することが知られていましたが、今回、Jackson Laboratory(メイン州)の David Harrison教授らはマウスを用いて、哺乳類でも同様の現象が見られることを示しました。

>「ラパマイシンを正常人が飲むと、免疫機能が落ちてインフルエンザなどに罹り易くなる。私は67歳だけど、絶対に飲もうとは思わない。」とHarrison教授はNature Podcastのインタビューで言っています

そうですよね。
私も飲みたいとは思いませんな(笑)。
寿命延長効果が出る前に、重症感染症でこの世におさらばになりそうです(笑)。
それよりもミトコンドリアをいたわり鍛えるには「糖質ゼロ」「CR・IF」そして「ちょっときつめの運動」の実践ですよね。

本日の写真は有名なイースター島のモアイ像でございます。
こんな処の土から「世紀の物質」が発見されたとは実に感慨深いものがございます。
因みに、我が国で開発された免疫抑制薬タクロリムス(FK506:アステラス製薬)は筑波山の土壌から発見された化合物(放線菌産生物質)です。
ですから筑波山の「t」を頭に付けているのですね。
ついでに薀蓄を言えば、コード名のFK506の「F」は藤沢製薬のFに因んでいます。
アステラス製薬って、藤沢薬品工業と山之内製薬が合併してできた会社である事は皆様良くご存知の事と思います。

免疫抑制剤FK506(タクロリムス)の発見と開発
藤沢薬品探索研究所 橋本道真
http://jsbba.bt.a.u-tokyo.ac.jp/past/taikai01/symp3.pdf

少し専門的に勉強したい方にはこちらの2冊。
購読までしなくても、目次詳細にサマリーが出ています。
ゆっくりと楽しんで下され(笑)。

実験医学 2011年4月号 Vol.29 No.6
細胞成長・増殖の司令塔 mTORシグナル
オートファジー・老化の分子機構から,幹細胞・代謝制御まで
http://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758100700/index.html

>TORが酵母から発見されて20年,その研究は衰退するどころか,ますます活性化されているように思える.ラパマイシンをPubMed検索に入れると14,000に近い論文が現れる.この数を他の阻害剤を用いた論文数と単純に比較するのは難しいが,2011年における発表論文をみても約5論文/日で,総論文数は日ましに増え続けており,この分野がいかに多くの研究者の興味をもつところであることは言うに及ばない.ではなぜ多くの研究者がTORタンパク質に興味をもっているのだろうか? その一番の理由は,やはりラパマイシンが予想をもしなかった魅力的な効果(延命,抗癌,免疫抑制等)を発揮しているためと思われる.本特集では特に最近の哺乳類TOR(mTOR)タンパク質の働きと,その調節に焦点を当て,この概論では私的な観点からmTOR研究の問題点および醍醐味を紹介したい.

実験医学 2010年12月号 Vol.28 No.19
代謝と老化・寿命を結ぶ
サーチュイン研究の最前線
http://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758100663/index.html

>SIR2(silent information regulator 2)ファミリー(サーチュイン)のNAD依存性脱アセチル化酵素活性の発見から10年が経ち,タンパク質の脱アセチル化とエネルギー代謝の間にある数多くの興奮に満ちた関係が明らかにされてきた.サーチュインの重要性は,さまざまな栄養・環境刺激に対する多くの基本的な生物学的応答の制御において,確固たるものとなってきている.サーチュインはまた,モデル生物における老化・寿命の重要な制御因子としても認識されるに至っている.サーチュインがもつNADを絶対的に要求するという性質が,哺乳類におけるNAD合成系の研究に対する興奮を再び呼び起こすことにもなってきている.さらには,サーチュインを標的とした老化関連疾患に対する創薬あるいは栄養学的方法論が,今や目前のものとなりつつある.本特集では,こうしたサーチュイン研究の最近の進歩,特に哺乳類サーチュインの生物学における進歩を概括し,サーチュイン,代謝,そして2型糖尿病のような老化関連疾患との関係を再評価することで,次の10年間におけるサーチュイン研究の里程としたい.

昨年末の大トリが「サーチュイン」なら、片や最新今月号の特集が「mTORシグナル」。
どっちも大いにホットですな(笑)。
この論争の結末や如何に?
興味津々の私です(笑)。

 
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